朝からとても良い天気でしたが、風がかなり強い一日でした。
リリアのシリーズは毎年この時期に行われ今回が3回目の最終回でした。
1回目と2回目のうち1回目は行けましたが、残念ながら2回目は行けず、そして今回の3回目となります。
小山実稚恵 ショパン・リサイタル・シリーズT
2008年3月9日(日) 14:00開演
<プログラム>
ショパン:ワルツ全14曲(第1番〜第14番)
ショパン:バラード全4曲(第1番〜第4番)
小山実稚恵 ショパン・リサイタル・シリーズU
2009 3/18(水)19:00開演
<プログラム>
ノクターン第17番ロ長調作品62−1
ノクターン第18番ホ長調作品62−2
ポロネーズ第5番嬰ヘ短調作品44
ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」作品53
ポロネーズ第7番変イ長調「幻想ポロネーズ」作品61
24の前奏曲作品28
リリアはやはり遠くて横浜の田舎からは1時間30分の道のりです。
5時30分にリリアに着きました。駅からは徒歩1分なので本当に目の前にあります。
リリアは開館20周年と言う事で盛大なイベントが用意されていて7月1日(木)は小山さんも出演される
ガラ・コンサート、そして11月2日(火)は小澤征爾さん率いるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会なども予定されています。
ホールに入ると20周年を祝う大きな垂れ幕が目に入ります。
ここ埼玉は小山さんが確か東京藝術大学時代に住まわれていた第二の故郷なので、当時から応援をされているファンの方が沢山いるとお聞きしています。なのでここリリアは小山さんのホームグランドの様なもので埼玉で行われる公演はいつも大盛況です。
リリアは総合文化センターの中にあるホールでここにはメインホール(2002席)と音楽ホール(600席)があります。今日は音楽ホールでのリサイタルです。このホールはリサイタル専門のホールなので本当に音の響きが良く、客席はなだらかなスロープになっていて後方の席でも舞台が良く見え、また音も十分に伝わってきます。天井の高さもかなりありますので、開放感、音の臨場感もまた格別な理想的な音楽ホールです。
今日の小山さんは淡いグリーンのドレスで、ちょうどこのファンサイトの背景色の様な色です。実は小山さんはこの色が一番お気に入りの色なのでファンサイトも緑を基調としています。
前半は練習曲とマズルカを3曲。とても美しい旋律に小山さんの情感がたっぷり乗ったピアノの音が会場内を包みました。スタイウェイの響きも良く、特に低音部はたっぷりと余裕のある音を感じました。
前半の最後の曲は「葬送」でした。この曲からは暗いイメージを持ってしまいますが、改めてこの様なコンサートでじっくり聴くと、本当に素晴らしい曲なんですね。そして恐らく近いうちにこれに絡んだ嬉しいニュースを皆さんへお届け出来ると思いますので楽しみにしていてください。
そして後半はソナタ第3番ロ短調です。この曲は物語を読んでいるようで本当に多彩で充実しておりピアノを弾く者にとっても、また聴く者にとっても最高の1曲だと思います。夢見るような美しい情景や情熱が弾ける色彩溢れる展開で本当に時を忘れてしまいます。小山さんは完全に曲の中に溶け込んでいて、聴く側もその音の世界に完全に引き込まれていました。そしてここリリアは小山ファンが多い土地柄でもあり、曲が終わってからの余韻を味わう術も十分に心得ていて、小山さんの指が鍵盤から完全に離れた後の余韻が本当に気持ち良いでのです。ホールが完全に静まり返ったその凝縮された時間に、あ〜良かったなぁ〜としみじみ感じるのです。本当に素晴らしかったです。。。。
そしてアンコールは思ってもいなかったプレミアムアンコールが。。。
まずはワルツ10番。もの悲しげなワルツですが心が締め付けられる思いがして、ナイーブで繊細なショパンを感じることが出来る素敵な曲です。
そしてなんと、ピアノ協奏曲第2番 第2楽章(ソロバージョン)を弾いて下さいました。
コンチェルトも勿論素晴らしいですが、このソロバージョンの何ともロマンチックで美しい旋律。小山さんは一音一音に想いを込めて弾かれていました。会場内の皆さんも、呼吸すらするのを忘れる位にその素晴らしい演奏に釘付け状態でこの曲が今でも脳裏に焼きついている事は疑いないと思います。演奏が終わった後はしばしの余韻を。。。そして皆さん、思わずため息を漏らしながら我に返っていました。本当に素晴らしかったです。何度でも聴きたいと思わせる名演奏でした。
終演後はお楽しみのサイン会です。恐らくこの最後のアンコールが皆さんに強烈な印象として残っているようで、サイン会も大盛況でした。そして花束やプレゼントが所せましと置かれていた事をみてもファンの方が沢山集まられていた事と思います。僕も普段より小山さんのコンサートでお目にかかる方、10名位をお見受けしまして挨拶を交わせて頂きました。今日は遠路からお見えになっている方も多かった様ですが、皆さん充実した一日を過ごされた事と思います。
そして、小山さんのピアノはこれからも揺るぐ事のない音の世界を私たちファンのために届けて下さり、またファンの皆さんも小山さんのピアノを愛し続けてくれる事を、強く感じる事が出来た今日のコンサートでもありました。
帰りは風がますます強くなっていましたが、気持ちの良い風として感じる事ができ、間じかの春を垣間見る事が出来ました。